世間というもの
心に響いた一節を紹介します
世間というものは、きびしくもあるし、また暖かくもある。(中略)
いい加減な仕事をやっていいかげんにすごすことも、時には見のがされてすぎてしまうこともある。つまりひろい世間には、それだけの包容力があるというわけだが、しかしこれになれて世間をあまく見、馬鹿にしたならば、やがては目明きの面にゆき当たって、身のしまるようなきびしい思いをしなければならなくなる。
また、いい考えを持ち、真剣な努力を重ねても、なかなかこれが世間に認められないときがある。そんなときには、ともすると世間が冷たく感じられ、自分は孤独だと考え、希望を失いがちとなる。だが悲観することはない。(中略)
いずれにしても、世間は厳しくもあり、暖かくもある。だから、世間にたいしては、いつも謙虚さを忘れず、また希望を失わず、着実に力強く自分の道を歩むよう心がけたいものである。
道をひらく 松下幸之助
今や競争も激しさを増し、まさに生き馬の目を抜く速さで決断を迫られる時代である。少しの油断が厳しい世間にさらされたとき、大きな罰として返ってくる。また、反面、手を差し伸べてくれるあたたかい話があることも事実である。「自身も厳しさを保ち、謙虚に感謝の心をもって周りと接する」こう心掛けて、これからも過ごしてゆこう。