言葉遣いは「健康状態」さえ左右する

心に響いた一節を紹介します。
私たちが目指しているのは、苦痛を少なくし、より多くの快感を得ることである。変身ボキャブラリーを身につけることは、そのための最もシンプルで効果的な手段である。
自分の可能性を制限するような言葉のレッテルを貼らないよう、十分に気をつけること。
とくに、他の人に貼られたレッテルをなんの考えもなしに、受け入れることは決してしないでほしい。
他人が貼ったレッテルに自分の生き方が左右されてしまうからだ。

このことが最もよく当てはまるのは病気だ。私が精神神経免疫学を勉強した限りでは、言葉に生化学的な効果があることは確かなようだ。
『笑いと治癒力』の著書があるジャーナリストで作家のノーマン・カズンズ、(中略)彼は過去二十年間に二千人以上の患者を診てきたが、患者が診断の結果を聞くと(病状から「病名」というレッテルが貼られると)、さらに具合が悪くなることが多いと言っていた。
「ガン」「多発性硬化症」「心臓病」などのレッテルを貼られた患者はパニックに陥り、無力感や絶望感によって本来備わっている免疫力を奪われてしまうのだ。

反対に、何らかのレッテルを貼られることで絶望感を払拭した患者の免疫力は自然と活性化することが、いくつかの研究によって証明されている。
「言葉が病気を生み出し、人の命をも奪う」のである。
そのため、よい医者は患者とのコミュニケーションに非常に気を使うのだそうだ。(後略)
アンソニー・ロビンズの運命を動かす アンソニー・ロビンズ
日本にもこれを表したことわざがある。「病は気から」。まさにその通りの事例が、身近に起こった。肉親が高齢の上、胃がんを宣告され、その3/4を摘出する手術を受けた。また、認知症も年齢相応に発生していた。退院してしばらくした時、がんの事、手術の事を聞いても、本人は何も覚えていない。そして5年が経過し、医師からはもう心配はないと診察を受けた。医師も驚いた回復であった。そして、本人は好物の堅いスルメを食べている。