関心をつかむ。

ビジネスのヒントになる一節をご紹介します。

関心をつかむ。
誰も予想もしない。
エンクレーブというミニバンのテレビCMは、公園の前にエンクレーブが止まっているシーンから始まる。アメフトのヘルメットを抱えた少年と二人の妹が次々に乗り込み、「新型エンクレーブ登場」と言う女性のナレーションが聞こえる。運転席には父親、助手席には母親、車のあちこちにカップホルダーがついている。父親がエンジンをかけ、車は車道を走り出す。「エンクレーブ、それは究極のミニバンです。」
車は郊外の道路滑るように走る。リモートコントロールのスライディングドア。150チャンネルのケーブルテレビ。大型サンルーフ。温度調節機能付のカップヒルダー。そして最大6点表示のカーナビゲーションシステム。・・・行動派ファミリーのためのミニバンです。」エンクレーブは交差点で停止し、車の窓から外を見つめる少年にカメラがズームインする。窓ガラスに大きな緑の木が映り込んでいる。父親は車を交差点へと走らせる。
そのときだ。
猛スピードの車が交差点に突っ込んで来て、エンクレーブの横腹に衝突する。恐ろしい衝突音。金属はねじ曲がり、ガラスは砕け散る。
徐々に画面が暗くなり、メッセージが現れる。
「予想もしませんでしたか?」質問文が消え、代わってこんな言葉が現れる。
「誰もがそうなのです。」クラクションが鳴り続ける中、最後の一文画面に現れる。
「シートベルトを閉めましょう。・・・どんなときも。」
エンクレーブというミニバンは存在しない。この広告は米広告協議会が制作したものだ。
広告協議会は1942年の設立以来、多くの優れたキャンペーンを展開してきた。(中略)
エングレーブの広告に意外性を感じるのは、自動車のCMのイメージに反しているからだ。
私たちは車のCMとはどういうものかを知っている。ピックアップトラックは、岩山を登り、スポーツカーは無人の道路のカーブを疾走する。SUVはヤッピーたちを乗せて森の中の滝へと向かう。そして、ミニバンは子供のサッカー教室へと送り届ける。誰も死ぬことはない。
この広告にはもう一つ意外性がある。実生活で近所走るときのイメージに反している。近所車で走ることは多くても、たいてい無事に戻ってくる。このCMによって事故とはそもそも意外なものであることに気づく。だからこそ万が一に備えてシートベルトというわけだ。イメージとは推測する機械のようなものだ。私たちはイメージに助けられて、何が起き、その結果、どんな判断を下すべきか予測する。エンクレーブは「まさかこうなると思いませんでしたか?」と問いかける。実際私たちはこうなると思ってなかった。つまり推測機械が正しく機能せず、そのために驚いたのだ。

アイディアのちから チップ・ハース+ダン・ハース著

こんなCMが日本で放映されたら、騒ぎになるでしょう。何気なく見ている車のCMもストーリーがあって、ずっと見なれていると、意識の中に刷り込まれている自分に気づきました。アイディアの殻を破る発想を持つ、そんなことに気づかされた一節でした。

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