止めを刺す

心に響いた一節を紹介します。
昔はいわゆる止めを刺すのに、一つのきびしい心得と作法があったらしい。だから武士たちは、もう一息というところをいいかげんにし、心をゆるめ、止めを刺すのを怠って、その作法にのっとらないことを大変な恥とした。
ものごとをしっかりとたしかめ、最後の最後まで見きわめて、きちんと徹底した処理をすること、それが昔の武士たちのいちばん大事な心がけとされたのである。(中略)
こんな心がけから、今日のおたがいの働きをふりかえってみたら、止めを刺さないあいまいな仕事のしぶりの何と多いことか。
せっかくの九九パーセントの貴重な成果も、残りの一パーセント止めがしっかりとさせていなかったら、それは始めから無きに等しい。もうちょっと念をいれておいたら、もう少しの心くばりがあったなら―あとから後悔することばかりである。(後略)
道をひらく 松下幸之助

最後のひと押し、ひと手間を怠ったがために、全てが水の泡という話は、よくあることだ。しっかり最後まで気を抜かずに、止めを刺す。古来、武士が恥じとしたように、恥と感じてしっかりと最後まで仕事をしなければならない。