一陽来復

心に響いた一節を紹介します。
ひろい世の中、長い人生、いつも心楽しいことばかりではない。(中略)ときには悲嘆にくれ、絶体絶命、思案にあまる窮境に立つこともしばしばあるであろう。
しかし、それもまたよし。悲嘆のなかから、人ははじめて人生の深さを知り、窮境に立って、初めて世間の味わいを学びとることができるのである。
頭で知ることも大事だが、身をもって知るということが何よりも大事。塩の辛さはなめてみてはじめてわかる。(中略)
窮境に立つということは、身をもって知る尊いチャンスではあるまいか。得難い体得の機会ではあるまいか。そう考えれば、苦しいなかにも勇気が出る。元気が出る。思い直した心のなかに新しい知恵がわいて出る。そして、禍いを転じて福となす、つまり一陽来復、暗雲に一すじの陽がさしこんで、再び春を迎える力強い再出発への道がひらけてくると思うのである。
道をひらく 松下幸之助
多くの成功した人がいう、「ピンチはチャンス」。ものの見方を変えればどんなことでもチャンスに見えてくる。この”リフレーミング”という考えを聞いてから、ピンチはさほど怖いものではなくなってきた。むしろこのピンチのあとのチャンス(成功)を考えると、楽しくて仕方がないことがある。ピンチはチャンスの母、そんな気持ちで一日を過ごそう。

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