感情との付き合い方「四つのパターン」②拒絶

心に響いた一節を紹介します。
2 拒絶—“感情に秘められたメッセージ”を無視する
二つ目の方法は拒絶だ。「そんなにひどくない」という言葉は、自分の感情と自分とを切り離そうとしている人の言うセリフだ。そう言いつつも、その人が心の中ではさまざまな思いにその感情をかき立てられている。本当は、「弱みにつけ込まれた」とか、「自分は一生懸命やっているのに、うまくいかない」とか、(中略)と思っているのだ。
こういう人は、焦点を変えたり、自分の生理状態を変えたりできず、いつも自分に代わり映えのしない質問をしては、やる気をなくしている。
実際に湧き上がっている感情と、その感情に秘められたメッセージを無視したところで、苦痛が増すばかりで状況が好転することはない。感情を拒絶したり、無視したりしても問題は解決できない。(後略)
アンソニー・ロビンズの運命を動かす アンソニー・ロビンズ
ネガティブな感情を「そんなにひどくない」と矮小化してしまうと、心の中に秘められた本当の苦悩や葛藤を無視することになり、結果として問題解決を遠ざけてしまうという指摘は、非常に示唆に富んでいる。
感情は単なる反応ではなく、私たちに大切なメッセージを伝えてくれるもの。それを拒絶したり、無視したりするのではなく、まずは素直に受け止めること。そこから、なぜその感情が湧き上がってきたのか、その背景にあるものは何かを深く掘り下げて考えることが、自己理解と成長の第一歩となる。