バックミラーを見ながら過去に向かって進むな

心に響いた一節を紹介します。
ソニー創業者の一人である盛田昭夫氏から(中略)彼は素晴らしく頭の切れる人物だ。ソニーの運命は、個人の運命同様、いくつもの判断と決断の結果である。この本で、盛田は自身が下した最も重要な決断は、彼の開発した画期的なトランジスタラジオを十万台購入したいというブローバ社のオファーを断ったことだと明かしている。
その頃、ソニーのトランジスタラジオの月間販売台数はわずか一万台に過ぎなかったが、慎重に検討した結果、彼はそのオファーを断った。
その理由は、プローバー社がラジオを自社の名前で販売しようとしていたからだった。短期的に見ればソニーにとって大きなプラスになるが、ブローバの名前を世に広めるだけで終わると、盛田は思い考えたのだ。ブローバ社側は彼の返事に耳を疑った。
盛田は言った。
五十年後ソニーの名前は貴社に負けないぐらい有名になります。そして、私が作ったラジオがそれを実現してくれるはずです。(中略)
それは、彼がソニーという会社の未来をしっかりと予測し、「無」から参照データを作り上げていたからだ。心に思い描いた明確な目標に集中し、明確かつ積極的な信念によってそれを支えたのだ。
アンソニー・ロビンズの自分を磨く アンソニー・ロビンズ
おそらく50年後の未来(今)にいる私は、ソニーを知っているがプローバーを知らない。そして誰もが盛田氏のようにはなれないだろうが、近づくことはできる。信念をもち、それに突き進んでゆくことは、一歩彼に近づけてくれるだろう。