真剣勝負
心に響いた一節をご紹介します。
剣道で、面に小手、胴を着けて竹刀で試合をしている間は、いくら真剣にやっているようでも、まだまだ心にスキがある。打たれても死なないし、血も出ないからである。(中略)ましてや真剣勝負ともなれば、一閃直ちに生命にかかわる。勝つこともあれば、また負けることもあるなどと呑気なことをいっていられない。勝つか負けるかどちらか一つ。負ければ生命がとぶ。真剣になるとはこんな姿を言うのである。
人生は真剣勝負である。だからどんな小さな事にでも、生命をかけて真剣にやらなければならない。もちろん窮屈になる必要はすこしもない。しかし、長い人生ときには失敗することもあるなどと呑気にかまえていられない。これは失敗したときの慰めのことばで、はじめからこんな気がまえでいいわけがない。真剣になるかならないか、その度合によってその人の人生はきまる。大切な一生である。尊い人生である。今からでも決しておそくはない。おたがいに心を新たにして、真剣勝負のつもりで、日々にのぞみたいものである。
松下幸之助 道をひらく
真剣勝負。竹刀、木刀と違って命にかかわる怪我をする。さまざまな出来事にしっかり真剣に向き合うこと、向き合うことで道はひらけるのだ。真剣になろう。今からでも遅くないと。経営の神様に背中をポンと叩かれた気がした。