生かし合う
心に響いた一節をご紹介します。
(前文略)ある場合には自己を去って相手を生かす。そうした考えにも立ってみなければならない。そこに相手も生き、自己も生きる力強い繁栄の姿がある。尊い人間の姿がある。
自己を捨てることによってまず相手が生きる。その相手が生きて、自己もまたおのずから生きるようになる。これはいわば双方の生かし合いではなかろうか。そこから繁栄が生まれ、ゆたかな平和と幸福が生まれてくる。
おたがいに、ひろく社会の繁栄に寄与するため、おたがいに、ひろく社会の繁栄に寄与するため、おたがいを生かし合う謙虚なものの考え方を養いたい。
道をひらく 松下幸之助
よく誤用されることわざに「情けは人の為ならず」がある。この意味は、情愛を相手にかけることは、結果自分の身にかえってくるものである。まさしく、このことわざのとおり、まず相手を生かす、生かすことで自己も生きる。さらに繁栄が生まれ、社会が豊かになる。社会までの考えには及ばなかった。松下翁の懐の深さを見た一節である。今日から新生活の人もたくさんいることであろう、相手を気遣う。手に入れたい習慣である。