イライラ、くよくよの原因は“こんなところ”にある
心に響いた一節を紹介します。
(前段略)セミナーの出席者に、一週間に感じた感情を書き出してもらっても、ほとんどの人は十前後しか書くことができない、なぜそうなのかといえば、人間は同じ感情を何度も経験するからなのだ。
そうなってしまう理由の一つは、自分の経験をいつも同じ言葉で表現しようとするからだ。しかし、自分の経験にもっと違った言葉のレッテル、独創的なレッテルを貼れば、実際の感じ方を変えられるのだ。
(中略)(刑務所の)受刑者たちの多くは言葉を上手く操れないため、感情の幅が狭く、ほんのちょっと不快感を覚えただけでも、それが激怒りとなって表れるのだという。これが言葉を巧みに操れる人なら、言葉で色彩豊かな絵を描き、自分の中に多彩な感情を再現できる。
自分の人生を変え、運命を切り拓いていきたいのなら、意識的に言葉を選び、選ぶ基準を絶えず高めていかなければならない。
アンソニー・ロビンズの運命を動かす アンソニー・ロビンズ
彼はこの本で、言葉の数についてこういっている。「辞書には七十五万語(収録されている)とも言われている。これほど多くの単語がありながら、私たちが日常的に使う言葉の数は非常に限られている。言語学者に言わせれば、平均的な大人が使う言葉は、わずか二千語から千語だという。英語には五十万の言葉があるのに、常に使うのは全体のたった〇・五~二パーセントにすぎないのだ。しかも、感情を表現する言葉は三千ぐらいしかない。さらに驚いたことには、私が数えたところ、肯定的な感情を表す言葉は千五十一語しかないのに、否定的な感情を表す言葉は二千八十六語もあったのだ。一つ例を挙げるなら、悲しみに関係した言葉だけでも二百六十四号語あったのに対して、快活さを表わす言葉は百五語しかなかった。」
言葉は言霊(ことだま)、そこに魂が宿っている。刑務所の話は衝撃的であったが、言葉を上手に扱うことで、感情も豊かに、生活も豊かになる。言葉を選ぶためにも、日々の生活で得られる言葉を意識して取り入れてみたいと思う。