自分から小さな「箱」に入らない

心に響いた一節を紹介します。

私の会社のCEOが怒りまくっていたあの日、(中略)私はそのCEOに、どんな気分なのかを尋ねた。彼は「頭に銃を突きつけられて、箱に押し込められているような気分だ」と答えた。このように、「ある状態に追い込まれ、そこから抜け出せない」と感じていれば、誰でも彼のように怒りを覚えて当然である。
そこで、私はCEOに質問した。「その水鉄砲は何色かな」(中略)「その水鉄砲は何色かな」この質問が瞬時にして、彼のいくつものパターンを打ち壊した。私のおかしな質問に答えようと全神経を集中させたため、意識の焦点が変わったのである。水鉄砲を思いうかべようとする間に感情も変化が生じ、彼は笑い出した。

人間は頭の中で何かを考えていると、だんだんそれを現実のこととして感じるようになる。
頭に突きつけられていた銃が、実は水鉄砲だったと思わせることで、彼が抱いていた悪いイメージは粉々になり、同時に感情にも変化がもたらされた。
箱の方はどうだろう。(中略)「箱に押し込められているというイメージについてだけど、君の場合はどうかわからないが、私を押し込められるような大きな箱は誰にもつくれないと思うよ」それを聞いた途端に、彼も箱を打ち壊すことができた。
アンソニー・ロビンズの運命を動かす アンソニー・ロビンズ
極限状態にあるような思考も、「水鉄砲の色」というユーモラスな問いかけによって一瞬で切り替わったのは驚くべきことだ。私たちはしばしば思考に縛られ、自分で自分を追い込んでしまうが、発想を変えるだけで感情の流れも変えられるのだと感じた。重苦しい問題も、捉え方次第で軽くできることに勇気をもらえた。