国の道

心に響いた一節を紹介します。
人はさまざま。だからさまざまの人生があり、さまざまの人の歩む道がある。そのいずれの道であろうとも、たとえそれがひっそりとした道であろうとも、それぞれの道をそれぞれにきりひらいていく事は、決して容易ではない。(中略)
しかし、もっと容易でないのは、いわゆる国として、国家としての道をきりひらいていくことではなかろうか。
いかにわが道を開く精進を重ねても、国としての道を開けていなければ、所詮はそれは砂上の楼閣。誰かが何とかしてくれるだろうでは、誰も何ともしてくれない。
人の歩む道も国の歩む道も結局同じことではなかろうか。ボンヤリしていては道はひらけぬ。他人まかせでは道はひらけぬ。つまりは、われ他人とともに懸命に考えて、わが道をひらく如くに、国の道をひらかねばなるまい。 そうしなければならないのは民主主義で、またそれができるのも民主主義なのである。おたがいに三省してみたい。
道をひらく 松下幸之助
人の道も国の道に通じるという。最近のコロナの禍中にあると肌身にしみる。ひとりひとりが自覚してこの道を踏みしめて切り開いていくことこそが求められている。自分の道が国家に通じるとは、なんとも壮大であろうか。その壮大な景観の一つを成しているとは。その自覚が第一歩なのだ。

この「言葉」から

前の記事

分け入れば
この「言葉」から

次の記事

覚悟は良いか