分け入れば
心に響いた一節を紹介します。
分け入れば思わぬ道があるというのは、何も野や山の道のことだけではない。いままで、これが一番よいと思っていたものが、やがてもっとよいものができてきて、だから前のものが古くなって、おたがいにさらにゆたかな生活を楽しむことができるようになる。
(中略)多くの人びとの中の誰かが、もうこれでいいのだ、もうこれでおしまいだなどとあきらめないで、もっとよい方法があるはずだ、もっとよい考えがあるはずだ、という真剣な思いで真剣な努力を重ねてきているからである。
長い人類の歴史は、時に曲折はあったとしても、こうしておおむね進歩発展の一路を辿ってきた。今後もまたかぎりなく発展していくにちがいいない。人間は本当に偉大なものなのである。
われわれもまた、この人間の歴史の一コマを担っている。
だからこそ、どんなことにも、もうこれでいいのだ、もうこれでおしまいだ、などと安易に考えないで、分け入れば思わぬ道もあるという思いで、日々ひたすらな歩みを進めていきたいと思うのである。
道を開く 松下幸之助
道に終わりはない。たとえどんな状況になろうとも、終わりはない。人と会えない環境になれば、インターネットを使った環境がある、またそれらのサービスが花ひらいてゆく。要はその脇道、行き止まりの道の分け入る道を見つけられるかどうか。これには、その人の体験がものをいう。本や読み物をあさり、人と出会い、知らない土地を歩く。こうした体験こそが、道に分け入ることのできる力になるのだ。なんでもいい、できるところから始めてみよう。