ダムの心得

心に響いた一節を紹介します。
雨が降る。山に降る。降った雨は地にしみこみ、谷水となり、川となり、平野をうるおして海に流れる。この流れがうまく行けばよいけれど、ちょっと狂えば洪水となり、また反対にかんばつとなる。流しっ放し、使いっ放しの結果である。
そこでダムを考える。流しっ放しをせきとめて、せきとめ溜めたその水を有効に使う。ゆとりを持って適時適切に放出する。人間の知恵の進歩であろう。
川にダムが必要なように、暮らしにもダムが欲しい。物心ともにダムが欲しい。ダラダラと流れっ放し、使いっ放しの暮らしでは、まことに知恵のない話。
(中略)
個人の暮らしの上だけではない。商売の上にも、事業の経営の上にも、このダムの心得がぜひ欲しい。そしてさらに大事な事は、国家の運営にあたっても、このダムをぜひ作りたい。国家と国民の安定した真の繁栄のために。
道をひらく 松下幸之助
この話のように、日々の生活、経営の上でも「ダム」は大切である。日々のんべんだらりと過ごしてはいないか、振り返りをせず過ごしてはいないか、心に余裕をもたず物事に接していないか。まずは自分の心にダムを作ってみよう。小さなダムから初めてみよう。この貯めたものがやがて、自分自身をそして周りを潤してゆくのだ。

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