談笑のうちに

心に響いた一節を紹介します。
わが国も、戦後は言論の自由がゆるされて、そのために世の中がずいぶんと明るくなったが、その反面にカンカンガクガクの徒がやたらにふえて、黙々と働くという気風がいささか薄れたようにも思われる。論多くして国栄えず、とまでは言わないが、この点をお互いに静かに反省してみてはどうだろう。(前段略)良い自動車は、その性能が良ければ良いほど、余計な音を発しない。小さい音で、しかもすばらしいスピードで走るのである。ところが悪い自動車は、ブウブウガタガタ音大きな音を立てそのくせなかなか速度が出ずに、すぐにエンコしてしまう。
口角アワをとばし腕をまくらんばかりの大議論をしながら、一向にものごとが進まないのは、この悪い自動車のように、どうもあんまり感心した姿ではない。やはりよい自動車のように、最小限必要な議論に止め、それも談笑のうちにスムーズに運んでいきたいものである。それでこそ議論が本当に世の中の繁栄に役立つことになるのであろうなるであろう
朗らかに語り合い、黙々として働くーおたがいにエンコしないうちに、国家として、また国民としてこんなことを心がけてみたい。
道をひらく 松下幸之助
これは会議の進め方にも通じるものがある。決めるべき事項が決まっていない、すぐ話が脱線し横道にそれて数10分、決めた事項の確認もできておらずまた次の問題へ、議事録もあればいい方でそれも数週間後に忘れたころにやってくる。かと思えば、椅子のない会議、事前に配布された配られた議題・資料に基づき、決める事項をさっさと決めて、ホワイトボードに書き込んだ内容がぞのまま議事録に。とある調査ではホワイトカラーの労働時間の10-20%が会議に費やされているようで、この効率化は大きな効果を生みそうだ。今日から行う会議、こうした視点から見直しを考えてみたい。

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