追求する

心に響いた一節を紹介します。
月に向けてロケットを発射する。(中略)どこまでもそれを追う。何千キロ何万キロ、月の表面に至るまで、刻々にこれを追う。追求する。だからこそ、ロケット発射の意義がある。成果がある。追求しなければ何の意味もなし。射っぱなし、消えっぱなしでは、浪費以外の何ものでもない。
人間社会の人間同士の間でもこれと同じこと。人が人に事を命じる。指示する。頼む。しかし、命じ放し、指示しっ放し、頼みっ放しでは、何の意味もない。何の成果もあがらない。
命じたからには、これを追求しなければならぬ。それが命じた者の責任ある態度というものであろう。
(中略)ともすればあいまいにすごしがちな日々、追求する方もされる方も、おたがいにこれほどの覚悟を持ちたい。勇気を持ちたい。
道をひらく 松下幸之助
発刊の当時はまだ月へのロケットが発射されたばかりのころであろう。ロケットの追跡技術に驚いた翁が感じたのは、命令の追跡であった。
命令はある意味簡単にできる。しかしそこには命じた者の責任が伴う。このことを理解しない命令がいかに多いことか。このことを肝に銘じ、命令、指示、依頼をしてゆこう。

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