自得する
心に響いた一節を紹介します。
獅子はわが子をわざと谷底につきおとす。はげしい気迫である。きびしい仕打ちである。だがそのきびしさのなかで、幼い獅子は決してへこたれない。
必死である。真剣である。そして、いくたびかころび落ちながらも、一歩一歩谷底からはい上がる。はい上がるなかで、はじめて自立を会得する。他に依存せず、みずからの力で歩むことの大事さを、みずからの身体でさとる。つまり自得するのである。そこから獅子本来のたくましさが芽生えてくる。
自得するには、きびしさがいる。勇気がいる。(中略)
きびしさこそ、自得への第一歩ではないか。勇気を出そう。元気を出そう。
激動する世界のなかで、日本の国も容易ではない。だから、おたがい一人もひとりも、決して容易でない。
自得へのきびしい日々を覚悟したいものである。
道をひらく 松下幸之助
今まさに国難ともいえるコロナショックに打ちひしがれている人もさぞ多いことであろう。この困難を乗り越えた先にあることを考えていきたい。自得をできるチャンスなのだ。言葉を借りる。「勇気を出そう。元気を出そう。」一人ひとりが生み出す熱(熱意、情熱)こそが、困難に立ち向かえる力となるのだ。よし!