虫のいいこと
心に響いた一節を紹介します。
人間はとかく虫のいいことを考えがちで、雨が降っても自分だけはぬれないようなことを、日常平気で考えている場合が多い。別に虫のいいことを考えるのがいけないというのではないが、虫のいいことを考えるためには、それ相応の心がまえが必要なのである。
雨が降ったらだれでもぬれる。(中略)傘も持たないで自分だけはぬれないような虫のいいことを考えているならば、やがてはどこかでつまずく。つまずいてもかまわないというのなら何もいうことはないけれど、人はとかく、つまずいたその原因を、他人に押し付けて自分も他人も不愉快になる場合が多いから、やはり虫のいいことは、なるべく考えないほうがいい。
おたがいに忙しい。忙しいけれど、ときには静かに、自分の言動を自然の理に照らして、はたして虫のいいことを考えていないかどうかを反省してみたいものである。
道をひらく 松下幸之助
有事であるこの状況下、どう向き合っていくべきか。その解決策は「愛」「慈悲」「利他」の心ではないだろうか。ぐっと自分の気持ちを抑えて、ほかの人を想う、慮る(おもんぱかる)ことが今こそ大切である。その考えは自分にとって「虫のいい」考えでないか、今一度考えてみたい。一日も早く、笑顔あふれる、素晴らしい日常が訪れますように。