あぐらをかく

心に響いた一節を紹介します。
一日の精いっぱいの働きを終えて、わが家の居間にゆったりとあぐらをかけば、心もくつろぐ、身もくつろぐ。だから、身を動かすのがついおっくうになり、家人から、とかく小言の一つも言われやすい。(中略)
ましてや、自分の地位や立場にあぐらをかいて、仕事の本来の使命を忘れ、自分自身のことにもとらわれて、なすべきこともなさぬようなことがあったとしたらじゃまや迷惑ですまなくなる。与えられた仕事が進まないだけでなく、周囲の働きを遅らせて、ひいては社会の発展をも阻害することになる。
人それぞれの地位や役割というものは、それぞれに担当している仕事を、周囲の人びとと相協力して、よりすみやかに、より高く進歩させ充実させてゆくことによって、社会の発展、人みなの繁栄に資するために与えられているのである。そんなところであぐらをかいていて、いいはずがない。おたがいに自分の仕事を、自分の役割を、もう一度よくかえりみたいものである。
道をひらく 松下幸之助
長年同じ仕事を続けていると慣れが生じ、それがいつしか本来の使命を忘れてしまうことがある。これまでの仕事を振り返って、そのような場面はなかったか。確かにあった。今の仕事ではないか。あるかもしれない。少し座り方を変えてみよう、かえりみよう。あぐらをかかぬように。

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