まねる
心に響いた一節を紹介します。
徳川家康と言う人は、ずいぶんえらい人であった。人によっては好ききらいもあるかもしれないが、ともかくも、天下を安定させ、三百年の治世の基礎をきづいた。(中略)
家康なればこそあの道が歩めたのである。たとえ家康以上の人物があったとしても、まねる心だけではおそらく道を誤るであろう。
ものを覚える事は、まねることから始める。こどもの歩みを見てもよくわかる。しかしウリのつるにナスはならない。柿の種をまけば柿がなり、梅の木に梅の花が咲く。
人もまたみなちがう。柿のごとく梅のごとく、それぞれに、人それぞれの特質があるのである。大事なことは自分のその本質を自分のその特質を、はっきり自覚認識していることである。
その自主性が欲しい。まねることは、その上に立ってのことであろう。
道をひらく 松下幸之助
自分が成長するには、まずまねをしてみることである。いくつものまねをしてみて、試行錯誤、その中で自身にしっくりくるものが見つかる。それが翁の言う自覚認識なのかもと考えた。やみくもにアレコレ策を講じるよりも、うまくいった人やことを考えてまね、まねて考えることが必要だ。