後生大事

心に響いた一節を紹介します。
(前文略)賢い人は、ともすれば批判が先に立って仕事に没入しきれないことが多い。だからせっかくの知恵も生かされず簡単な仕事もつい満足にできないで、世と人の信用を失ってしまう。
ところが、一方に「バカの一つ覚え」といわれるぐらい仕事に熱心な人もいる。こういう人は、やはり仕事に一心不乱である。つまらないと見える仕事もこの人にとっては、いわば後生大事な仕事、それに全身全霊を打ち込んで精進する。しぜん、その人の持てる知恵は最上の形で働いて、それが仕事の上に生きてくる。成功はそこから生まれるという場合が非常に多い。(中略)
おたがいに、力及ばぬことを嘆くより先に、まず後生大事に仕事に取り組んでいるかどうかを反省したい。
道を開く 松下幸之助

今の仕事、そこに全身全霊を傾けているか。投げやり、あきらめてはいないか。改善できることはないか。
例えばコピーをとる仕事。それは単純でつまらない仕事に見える。しかし、見方を変えるとそれは、見る人が資料を見やすくする工夫ができる。資料をチラ見することで、そこで起こっていることがわかる。コピー機の機能を覚えてもっと早く資料を仕上げることができたりする。
この視点を養うことが、その人の成長を促すのだ。熱心に今の仕事を見つめてみよう。

この「言葉」から

前の記事

乱を忘れず
この「本」から

次の記事

己を知る