ノレンわけ
心に響いた一節を紹介します
(前文略)だからもうノレンわけなどというものはすっかり影をひそめてしまった。つまり、独立して店を持つということがむつかしくなって、会社の一員として終生そこで働くという形が多くなったのである。
(中略)ノレンわけによって、独立の営みをはじめるというあの自主的な心がまえまでも失ってしまいたくない。会社の一員であっても、実はそのなかで、それぞれの勤務の成果によって、それぞれにノレンわけをしてもらっているのである。だからみんなその仕事では独立の主人公なのである。
そんな気持ちで、自主的な心がまえだけは、終生失わないようにしたいものである。
道を開く 松下幸之助
会社が成長して、多くの社員を雇用したが、雇われ身の社員がややもすると自主的な心構えを失いつつあったところを危惧したのであろう。
起業家精神(アントレプレナーシップ)は以前勤めていた会社でも経営理念として掲げられており、多くの経営者がそうであったように独立した自主的な心構えを持っていた。
こうした精神を社員に伝えるのもとても大切な経営者の役割である。