見方を変える


こころに響いた一節を紹介します。
富士山は西からも東からでも登れる。西の道が悪ければ東から登ればよい。東がけわしければ西から登ればよい。道はいくつもある。時と場合に応じて、自在に道を変えればよいのである。一つの道に執すればムリが出る。ムリを通そうとするとゆきづまる。動かない山を動かそうとするからである。そんなときは、山はそのままに身軽に自分の身体を動かせば、またそこに新しい道がひらけてくる。
何ごともゆきづまれば、まず自分のものの見方を変えることである。案外、人は無意識の中にも一つの見方に執して、他の見方のあることを忘れがちである。(中略)
われわれはもっと自在でありたい。自在にものの見方を変える心の広さを持ちたい。何ごとも一つに執すれば言行公正を欠く。深刻な顔をする前に、ちょっと視野を変えてみるがよい。それで悪ければ、また見方を変えればよい。そのうちに、本当に正しい道がわかってくる。模索のほんとうの意味はここにある。そしてこれができる人には、ゆきづまりはない。(後略)
道をひらく 松下幸之助
忙しくなればなるほど、ものの一点しか見えなくなる。歩いているときは周りの景色や色、音が感じられるのに、高速道路を時速100キロで運転しているとき視野はあまりにも狭い。
なにかでいきづまったときには、ふと肩の力を抜いて、周りを見てみよう。他のいい道がみえてくるに違いにない。そうすればたしかにゆきづまりはない。ものの見方は大切だ。

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