大事なこと


心に響いた一節を紹介します。
いかに強い力士でも、その勝ち方が正々堂々としていてなかったら、ファンは失望するし、人気も去る。つまり、勝負であるからには勝たなければならないが、どんなきたないやり方でも勝ちさえすればいいんだということでは、ほんとうの勝負とはいえないし、立派な力士ともいえない。勝負というものには、勝ち負けのほかに、勝ち方、負け方というその内容が大きな問題となるのである。
事業の経営においても、これと全く同じこと。(中略)ただ成果をあげさえすればいいんだというわけで、他の迷惑もかえりみず、しゃにむに進むということであれば、その事業は、その事業は社会的に何らの存在意義も持たないことになる。だから、事業の場合も、やっぱりその成果の内容―つまり、いかに正しい方法で成果をあげるかということが、大きな問題になるわけである。
(後略)
道をひらく 松下幸之助
勝ち方にも美学が存在する。誰がみても気持ちのよい勝ち方でなければならない。自分ひとりよがり、ましてや不正の上での勝ちなど、勝ちではない、価値もない。そして自身の事業は、社会的な存在意義をもっているか。正しい方法で成果を上げているか。上げようとしているか。はたと考え、周囲と接するようにしたい。

この「言葉」から

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