勤勉の得
心に響いた一節を紹介します。
天災地変をまつまでもなく、粒々辛苦の巨万の富も、事あらば一朝にして失われてしまうことがしばしばある。(中略)形あるものはいつかは滅びるにしても、 まことにはかない姿であると言えよう。(中略)たよりになるのは、やはり自分の身についた習性。
だから何か一つでもいいからよき技、よき習性を身につけたいものであるが、なかでもいわゆる勤勉の習性は、何にもまして尊いものに思われる。
勤勉は喜びを生み、信用を生み、そして富を生む。人間のいわば一つの大事な得である。得である限り、これを積むには不断の努力がいる。
相撲に強くなるには不断に真剣な稽古を積まなければならないように、勤勉の習性を身に付けるためには、まず日々を勤勉に勤める努力がいるのである。その努力が重なって勤勉の習性が身に付き、その習性からはじめて得が生まれてくる。
おたがいに勤勉の徳を積みたいものである。
道をひらく 松下幸之助
学ぶのはなにも学校ばかりでない。学校を卒業したからと言って、学びが終わるわけではない。むしろ社会という学びが始まるのだ。学びには終わりがなく、普段の生活にも学びの種はあちこちに転がっている。学んでいることを意識しているか。学んだことを自己の成長につなげているか。まずは習性から身につけよう。